大切な人の急な訃報を受けた時、誰もが動揺し、何をどうすれば良いか分からなくなるものです。そんな時に慌てず適切な対応ができるよう、必要な手順と注意点をまとめました。
1. 訃報を受けた直後にすべきこと
まずは心を落ち着かせる
突然の知らせに動揺するのは自然な反応です。深呼吸をして、まずは心を落ち着かせることが大切です。慌てて行動すると、重要な情報を聞き逃したり、不適切な対応をしてしまう可能性があります。
基本情報の確認
以下の情報を必ず確認し、メモを取りましょう。
- 通夜の日時・場所(斎場名、住所、電話番号)
- 葬儀・告別式の日時・場所
- 葬儀の形式(一般葬、家族葬、密葬など)
- 喪主の名前と連絡先
- 宗教・宗派(香典の表書きに影響します)
- 参列に関する希望(「家族のみで」等の指定がないか)
2. 職場・学校への連絡
忌引き休暇の申請
故人との関係性により忌引き休暇の日数は異なります。一般的な目安は以下の通りです。
- 配偶者:10日
- 父母:7日
- 子:5日
- 兄弟姉妹:3日
- 祖父母:3日
- 配偶者の父母:3日
連絡時のポイント
- できるだけ早く上司や担当者に連絡する
- 故人との関係、通夜・葬儀の日程を伝える
- 休暇期間の見込みを報告する
- 緊急時の連絡方法を確認する
- 必要に応じて会社からの弔電や花輪の手配について相談する
3. 服装の準備
通夜の服装
通夜は急な知らせのため平服でも問題ないとされていますが、実際には多くの方が喪服で参列するため、可能であれば喪服を着用することをお勧めします。喪服がない場合は以下を心がけましょう。
- 男性:黒、紺、グレーのスーツ、白いシャツ、黒いネクタイ
- 女性:黒、紺、グレーのスーツやワンピース、黒いストッキング
- アクセサリーは結婚指輪と一連の真珠程度に
- 派手な色やカジュアルな服装は避ける
葬儀・告別式の服装
正式な喪服(ブラックフォーマル)を着用します。持っていない場合は、レンタルサービスの利用を検討しましょう。
4. 香典の準備
香典袋の選び方
- 仏式:「御霊前」「御香典」
- 神式:「御玉串料」「御霊前」
- キリスト教式:「御花料」「献花料」
- 宗教が分からない場合は「御霊前」が無難
香典の金額目安
故人との関係性や自身の立場により異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。
- 親族:10,000円-100,000円
- 友人・知人:5,000円-10,000円
- 職場関係:5,000円-10,000円
- 近所の方:3,000円-5,000円
5. 参列できない場合の対応
やむを得ず参列できない場合
- できるだけ早く喪主や遺族に連絡し、お詫びの気持ちを伝える
- 弔電を送る
- 香典を現金書留で送る
- 後日、遺族の了承を得てから弔問する(または手紙でお悔やみを伝える)
弔電の送り方
- NTTの115番サービス、またはインターネットで申し込み
- 喪主宛てに斎場へ送る
- 通夜の開始時間までに届くよう手配
6. 遠方の場合の判断基準
参列するかどうかの判断
- 故人との関係の深さ
- 遺族の意向(家族葬の場合は参列を控える)
- 移動時間と費用
- 自身の体調や家庭の事情
遠方から参列する場合
- 交通手段と宿泊先の確保
- 到着時間を考慮した移動計画
- 現地での服装調達方法の確認
7. 子供を連れて行く場合の注意点
参列の判断
- 乳幼児は泣き声で式を妨げる可能性があるため、できれば預けるのが望ましい
- やむを得ない場合は、すぐに退席できる後方の席に座る
- 小学生以上であれば、マナーを教えて参列可能
子供の服装
- 黒、紺、グレーの服装
- 制服があれば制服でも可
- 派手な色やキャラクターものは避ける
8. その他の注意点
SNSでの情報発信について
- 故人に関する投稿は控えることを推奨
- 故人や遺族のプライバシーに配慮する
- 葬儀会場での写真撮影は控える
お悔やみの言葉
- 「この度はご愁傷様でした」
- 「心よりお悔やみ申し上げます」
- 「重ね重ね」「たびたび」など重複を表す言葉は避ける
- 「死」「死亡」などの直接的な表現は避け、「ご逝去」「お亡くなりになる」を使用
まとめ
急な訃報を受けた際は、まず心を落ち着かせて必要な情報を確認し、適切な準備を進めることが大切です。故人への最後のお別れを心を込めて行うためにも、マナーを守った対応を心がけましょう。
不明な点があれば、葬儀社に相談するか、インターネット等で事前に調べておくことをお勧めします。